高齢者ドライバーに運転免許の返納を上手に説得する方法

最近、高齢者ドライバーによるブレーキの踏み間違いや逆走事故のニュースをよく耳にしませんか?

車の安全性能は年々高まっているものの、高齢者の運転事故は増える一方。
日増しに危険が増えていると言っても間違いではないのかもしれません。

現在、高齢者が免許更新する際、運転適正検査が義務化されており、検査に合格できなければ運転免許の返納をしなければなりません。
苦労して取得した免許証を自ら進んで返納する高齢者は極稀な反面、運転を辞めて欲しいと思っている家族は多いようです。

そこで、高齢者ドライバーの現状や免許返納のタイミング、並びに返納を説得する方法について紹介します。

免許返納を説得したいときは?

危険を感じ、ドライバー自身が免許返納を決意することが一番ですが、そうはいかないこともあります。

家族としては運転をやめてほしいけれど、どう言って説得しようか悩むこともあるでしょう。
そんな時は、こんな方法を参考にしてみてください。

自治体によって異なりますが、免許を返納することで受けられるサービスがあります。

電車、バス、タクシー料金の割引、食事や宿泊料金の割引、デパートの宅配サービス無料など。
住んでいる自治体のサービスを事前に調べ、運転をやめてもメリットがあることを伝えてみましょう。

ドライブ好きな方には、新たな趣味の開拓の手伝いをしてあげましょう。

専門家の力を借りよう

運転に自信がある人にとっては、免許返納の話をされることが苦痛かもしれません。

家族の言うことなど聞かない、という頑固者も中にはいらっしゃるでしょう。
そんな時は、お医者さん、車屋さん、警察など、専門家の力を借りましょう。

健康診断の際、お医者さんに免許返納を薦めてもらったり、免許更新の際に警察の方に免許返納を示唆してもらったり、車が故障して修理に出した時に、車屋さんに運転を控えた方がよいと伝えてもらうのです。

私の祖父の例

私の祖父は、80過ぎまで車を運転していました。

大学生の頃、駅まで送ってもらったのが、祖父との最後のドライブでした。
その後、私が嫁いでから免許を返納したと聞きました。

幸いなことに、生涯事故を起こすことはありませんでしたが、祖父の運転を見ていた両親は、絶えず不安を感じていたようです。
運転をやめてくれた時は正直ほっとしたと、母は私に言いました。

高齢者ドライバーの事故が増える理由

高齢者ドライバーの事故

年齢が上がるにつれてどうしても避けて通れないのが、判断力や反射神経の衰えです。

脳が指令を出してから行動に移るまでの時間がかかることで、判断が鈍ったり、とっさの対応が遅れたりします。
アクセルとブレーキの踏み間違いは、典型的な判断能力の衰えです。

また、視力の低下もドライバーにとっては致命傷です。
視力が下がると、動体視力も低下し、視野も狭くなっていきます。

すると、周囲の状況を正確に収集するのが、難しくなっていくわけです。
こうした身体的な衰えだけでなく、経験が邪魔をする場合もあります。

何十年も運転してきたという自負が過信につながり、事故を引き起こすことも多々あります。

高齢者が免許を手放せない理由

「65歳になったら運転はやめましょう」と簡単に言えるものではありません。

車をやめることによって問題になるのは、移動手段の確保です。
電車やバスといった交通網が整備されていない土地に住んでいる方にとって、車は生活必需品です。

車生活に慣れてしまった方が、車を捨ててこれまで通りの生活を維持することは可能でしょうか?

運転のできる同居家族がいれば、差ほど不便は感じないかもしれませんが、単身者や高齢者夫婦だけの世帯では、車がなくなる生活を不安に感じるのも無理はありません。

運転できることが元気の証と考える方も多く、運転をやめることで人生の張り合いを失ってしまうことは否めません。
また、ドライブ好きにとって、免許の返納は趣味を失うことにもなるのです。

免許返納タイミングチェック

運転をやめるタイミングってあるのでしょうか。
以下の項目をチェックしてみましょう。

・車線内で中心走行ができなくなった、
・センターラインをはみ出すことが増えた。
・車庫入れで車体をこすった。
・駐車スペースに上手に止められなくなった。
・右折が上手にできない。
・車線や道を間違えることが増えた。
・行き先が分からなくなった。
・車を止めた場所が分からなくなることがある。
・信号や標識を見落としてしまう。
・ブレーキとアクセルを踏み間違えることがある。
・同乗者と話しをしながら運転できなくなった。
・車を離れる時、サイドブレーキやロックを忘れてしまう。
・高血圧である。

高血圧と運転は一見関係ないように思えますが、高血圧であることで血管が詰まるなどの病が突然起こることが考えられます。

それがもし運転中だったら、大事故につながりかねませんよね。
ドライバー本人がヒヤリ、ハッが増えたと自覚した時、同乗者が危険だと感じた時が免許返納のタイミングではないでしょうか。

まとめ

高齢者ドライバーに

高齢者ドライバーに運転免許の返納を上手に説得する方法をご覧いただきました。

いかがでしたか?

どんなに注意して運転していても、まだまだ現役だと思っていても、年齢にかなわなくなる時はやってきます。

運転をやめた後の生活には不安がつき物ですが、事故を起こし他人や自分を傷付けてしまうことを考えたら、そんな不安は小さなものです。
引き際を見極め、潔く免許を返納できるお爺ちゃんお婆ちゃんが増えることを願っています。

そのためには、車がなくても安心して生活できる環境が必要です。
自動運転自動車の実用化が望まれますね。

 

ペンネーム:ハートフル

プロフィール:私の祖父は80過ぎまで車の運転をしていました。
祖父の運転を見ていた両親は、絶えず不安を感じていたそうです。
そのため、運転をやめてくれた時は正直ほっとしたと言っていました。