この記事を書いた人
【ペンネーム】熊田
【プロフィール】元・新進気鋭の若手起業家。カネなしコネなし彼女なしで会社を作った無鉄砲キング。ある独特な方法を使うことで、3ヶ月という短いスパンでゼロから大手企業のエグゼクティブ層とのパイプを築き上げた実績を持つ。
突然ですが会社を作った直後ってやっぱり、コネクションが欲しいじゃないですか。
もっと言ってしまえば、大きな取引先や大口の取引が欲しいものじゃないですか。
でも、大口の取引先ほど指をくわえて見ているだけでは絶対にやってきてくれません。こちらからチャンスを掴みに行く必要があります。
しかし大口のお客様って、コネがないと見つからないんですよね。
アポが取れたとしても、コネクションがなければ門前払いがほとんどです。
そんな中、筆者(カネなしコネなし彼女なし)は、会社を作ってわずか3ヶ月で「地元なら誰でも知っているレベルの大手企業社長たち」との食事会にこぎつけることができました。
これほど大きいコネクションはありません。
もちろんこれは偶然ではなく、私がビジネス心理学や起業家のセカイでの独特な売り込み方法を駆使した結果です。
…その方法、知りたいでしょう?(笑)
今回は、私が実践した「起業から3ヶ月で大企業の社長と食事までこぎつけた方法」をご紹介します。
起業家たるものコネを持て!コネさえあれば仕事は取れる?
結論から言います。
コネがあればぶっちゃけ仕事は取れます。
そのコネクションというのは、すでに業界の第一線で活躍しているエグゼクティブ層、つまり大手企業の経営者たちです。
実際問題、起業直後は「いきなりお客さんがつく」ということはまずありません。
とりあえず、
SNSでバズってお客様が殺到!初月からガッポリー!ウハウハ!
とか、
根性で売上件数を多数叩き出していきなりエグゼクティブ層の仲間入り!グハハ!
みたいな幻想は今すぐ捨ててください。
ゼロから1をつくり出すのは非常に難しく、最初のお客様を獲得するまでに大変苦労するものです。
事業モデルによっては、最初のお客様を獲得するまでに半年、あるいは一年弱の時間がかかるケースも珍しくありません。
しかし私は起業してからわずか3ヶ月という非常に短いスパンで、大手企業の社長さんとの食事会の席をセッティングすることに成功しました。
その席で、今まで売り上げがほぼゼロだったにも関わらず、たった一夜にして数百万円単位の売り上げを上げることに成功したのです。
「歴史は夜動く」とはよく言ったもので、普通に真っ正面からアポイントを取って初回訪問をし、熱心にプレゼンをして営業をかけるよりもはるかにスピーディーでした。
「え?ああ、そう、こういう商品が君のところにはあるのか。へえ、面白いね、よし、ちょっとウチで試してあげようか」
「(社長さん、どこかにTELしながら)ああもしもし、ちょっと面白いサービスを提供している若い子を見つけたから、その子のサービスを使ってみるよ。連絡先はこの番号だから、明日にでも連絡入れて契約してあげて!よろしくね!!」
たったこれだけで契約成立です。
最初はマジで冗談だと思いました。
ここまでの大きな企業に使っていただけるような、営業力も商品力もないと思っていたからです。
でも、翌日の朝イチでその社長さんの会社の担当者様からご連絡をいただき、私は二日酔いの頭を抱えながらお取引先様となった会社へ向かったのです。
よく事業の力は
商品力x営業力
とか言ったりしますが、コネがあれば営業力が100倍くらいになります。
そのため、例え起業したてで商品力が0.1くらいしかなくても、営業力のレバレッジが効いてちゃんと事業が成り立ったりするわけです。
実録:コネ無し状態から大物狙いで一発逆転!
ここで本題です。
カネなしコネなし彼女なしの私が、どうやっていきなり経営者層の食事会にこぎつけたか。
もちろん飲食店でバイトをしたわけでもなく、単純に食事会の隣のテーブルを予約して偶然を装ってみました、みたいなオチもありません。
これは起業の当初から、大物狙いの一発逆転を狙って行動してきた結果でもあります。
ここでは実際の食事会が行われた3ヶ月目まで
「月ごとにどのような行動をとっていたか」
という実録と合わせて、より大きなコネクションを構築するための方法についてご紹介します。
起業当日~2週間目:売り込みはまず中規模団体や小さな組織から
いざ会社を作り終えて、さあ営業活動を開始するぞ!という時。
まずは売り込みなどをしなくてはなりません。
この時はまず、中規模団体や小さな組織などの「法人格ではない組織」から売り込みをしていくようにしましょう。
え?いきなり企業狙いでいいじゃん、ですか?
じゃあ反対に聞きますが、
「会社を作ったばかりなので、売上がゼロなんです。今までどこともお取引がない状態なんですけれども、是非一番最初のお客様になってもらえませんか?」
「え?ご紹介?コネクション?そんなものございません」
って、いきなり企業さんに飛び込み営業、かけられますか??
まあ鋼のメンタルがあれば営業すること自体はできるでしょうが、おそらく統計学的な見地から見ても契約を取るのは難しいと言ってよいでしょう。
また、法人相手の場合はどうしても社内で「稟議」というものを上げる必要があるケースはあります。
この時、売上実績の全くない新規の会社の場合はそもそも取引をする事が法人としてできないという場合があります。
そこでまずは「法人格ではない組織」なのです。
法人格を持たない組織のことを任意団体などと言ったりします。
これらの組織の場合は意思決定が比較的柔軟に行えるような機関設計となっており(要するに話し合いでだいたい解決できる)、いわゆる会費などから代金をいただくことができるケースがあります。
こういったコミュニティの場合はメンバーさんの中に思わぬビックネームがいたりすることもあります。
そのような副産物も狙いつつ、まずはあなたの商品やサービスを使ってくれるお客様を獲得していきましょう。
こういった任意団体様とのお取引は立派な取引実績になります。
この実績があることで初めて取引に応じてくださる会社さんが出てくるわけです。
この時の注意点は、
・絶対に自分より下に営業しない、必ず上に営業する
という事です。
この「下」というのは色々な解釈があってしかるべきですが、とりあえず
・自分の後輩
・自分が「この人なら丸め込めるかな?」と思う人
・立場が自分より下の人
などを指します。
こういった人たちに営業をしたとして今後、次の展開に発展するかといえば必ずしもそうではありません。
口コミ商売の場合、特に営業をかけた相手が自分より下のランクの人だと、その先にいる次なるお客様はそのお客様よりもさらに「下の人」となります。
年齢もそうですし、収入レベルも下、ということもあるでしょう。
こうなると完全に負のスパイラルに入ってしまい、そのうちあなたの商品を値下げしなければならなくなったり、あまりにも低い単価で回転率を上げなければならなくなる可能性があります。
これでは、いいことは何もありません。
そしてあなたの営業スキルも向上することなく、そこで終わってしまいます。
なぜなら自分より下に見ている人に対する営業しかしていないからです。
1ヶ月目:ゼロからのスタート
この時期はとにかく名前を売り、固定客とビックネームの連絡先を確保することが最優先です。
さて、会社を立ち上げてから2週間もすれば新米社長さんの誕生です。
最近はSNS上での情報共有も早いことから、既にあなたが新しい会社の社長さんであることはそれなりに知れ渡っていると言ってよいでしょう。
かといって、社長さんだぞ!と傲慢になるのは絶対にNGです。
およそ100年ほど早いです。
これはリアルでもSNS上でも構いませんが、名前を売るのなら会社名と商品名以外に「面白エピソード」で名前を売るようにしましょう。
商品名や事業モデルで名前を売りたいのは痛いほどわかりますが、世間の皆様は思ったほどあなたの会社や商品に興味がありません。
また、ビジネスセミナーでは「セルフブランディングがなにより重要!」という授業をされているケースがあり、この時期の起業家は特にSNSでの名前やLINEでの名前を
「山田一郎@日本で一番のイベント司会者」
みたいな感じにしてしまうことがあります。
結論から言うと、これはやめた方が良いです。(※経験談)
「そこそこ怪しめのご商売をされている方々」が過去こぞってこの手法でセルフブランディングに取り組んできたという経緯があるのですが、このせいでこの手のハンドルネームは一般の方々から拒否される結果となりました。
これならば、少しでも記憶にとどめてもらうよう社長さん自身のキャラクターで売り込んだ方がよっぽど打算的です。
また、この時「実際に会ってみたらそこそこ傲慢ちきな人だった」というイメージがついてしまうと、光の速さと同じくらいのレベルでその悪い噂が広まってしまいます。
そうならないように、
・とにかく爽やかに
・とにかく腰を低く
というスタイルで行きましょう。
また、エンジニア系の職業でない限り普段の服装からスーツにしておくと安心です。
普段からスーツで固定しておけば、どんな場所にも出入りすることが可能になります。
志は高く頭は低くというモットーで行くと良いでしょう。
約束は信頼関係を作る重要アイテム
ビジネスにおいて、さらに起業直後はできない約束は絶対にしてはいけません。
(「約束を守ることができなかった」という状況を意図的に作り出し、そこから次の営業につなげていく超上級ワザもありますが、それはまた別の機会に。)
反対に、絶対に達成できる約束はバンバンするべきです。
そしてその約束は簡単であれば簡単であるほど、こちらに有利となります。
例えば、
「では、来週◎曜日のx時に確認でご連絡しますね」
と言ったら、必ずその時間に連絡をするようにします。
この時30分ずれた、1時間ずれた、は絶対にだめです。
何が何でもその時間ぴったりに連絡をするのがポイントです。
こうすることにより
「この人はきちんと約束を守ってくれる、しっかりした人だ」
という深層心理が相手に芽生えます。
この積み重ねで急速に信頼関係を構築していくことができるわけです。
フットワークの軽さは風のごとく
同様にフットワークの軽さというのも植え付けていくと良いでしょう。
どこの会社さんでも構いませんが、ベンチャー企業の経営者の方などから
「是非一度会ってお茶してみませんか?興味があるので!」
などと連絡が来たらしめたもの。
迷わずマッハで向かうようにしましょう。
新米社長はフットワークが命です。
ちなみに私は、とあるベンチャー企業の経営者の方とお茶をするためだけに文京区から真冬の新千歳空港までカッ飛んだことがあります。
「お茶をしませんか!」とFacebook経由で連絡をいただいたは良いものの、相手の現在地は新千歳空港。
それでも私は即決即断で、次の瞬間には羽田行きの電車に飛び乗っていました。その行動力や、わざわざ出向いてきた、ということだけを評価してお仕事をくださる社長さんもいらっしゃいます。
事実この社長さんからも、大きなお仕事をいただきました。
このように自社の商品力や営業力が弱い時期は、社長の行動で誠意を示すということも時には必要です。
かっこつけて仕事なんてヒマそのものなのに「業務があるのでなかなか時間が取れません」とかいうのはダメです。
下手するとそこでゲームオーバーという可能性もあります。
このようにして日々を過ごしていると、必ず固定客または見込み客など、常日頃から連絡を取れるお客様の連絡先が最低でも10件以上は集まるはずです。
そしてさらに名刺交換などによって、ある程度のビックネームの方のご連絡先や名刺なども集まり始める頃です。
この辺りも大事なご縁ですからきちんと整理しておきましょう。
2ヶ月目:食事会参戦!爪痕を残せ!
この頃になると起業してから作り上げてきたネットワークなどが功を奏してきます。
社長さん同士の食事会ではないにせよ、様々な夜のお付き合いに呼ばれるようになるケースがほとんどです。
この時期、集中すべきはこの3点。
1・まずは食事会に参戦、爪痕を残せ!
2・業界人マップを作る
3・とにかく志とフレッシュさをアピール
まずは何でも構いませんので食事会に参戦します。
誰のお誘いも断らないくらいの勢いで行きましょう。
そして名刺交換などを挟みつつ、とにかく爪痕を残すことを意識します。
爪痕というのはただ単純に名刺交換をして食事会に参加しただけでは残りません。
何でも構いません、とにかく良い意味で目立ったもん勝ちです。
ちなみに私はもともとアメリカ留学の経験があり外国人の知り合いも多かったので、とにかくパツキン美女との繋がりをアピールしまくりました(笑)
また、 食事会に参加されている方の中にお誕生日の方がいらっしゃるとわかった時には、コンビニに走って安いものでも良いのでプレゼントとしてお酒のボトルを一本用意していました。
一本あたり980円とかです。
この時、もしお店の中で食事会中にボトルを開けるのであれば、必ずお店の人に事情を説明して持ち込みがOKかどうか確認を取っておきましょう。
大体の場合は事情さえ説明しておけばOKしてもらえます。
また、渡すときには「今回ご参加の皆様からのプレゼントです!」とご本人に渡すのがポイント。
事前に、参加者のみなさんには「○○さんがお誕生日とお聞きしまして、実はこういうボトルを用意したのですが、皆様からということでお渡ししてもいいですか?」と聞いておきましょう。たいていOKが出ます。
絶対に自分一人のスタンドプレーであってはならないのです。
ここ、重要です。
抜け駆けはダメですが、他の人の分まで手柄を立て、その手柄をきちんと献上するというのは極めて効果的です。
消え物ですしそこまで値段も大きくないので、お誕生日の方は「若い子が代表して祝福してくれた」と感じてくれますし、ご参加の皆様は「こいつなかなか使えるな」と思ってくださいました。
このようにして食事会を連日連戦こなしていくことになります。
会社を作った当時は様々な事業費などについて割り当てを行うことになるわけですが、実際問題、この飲食代や接待費にかなりの配分をしていた覚えがあります。
また連日連夜戦の食事会に参加しながらも、その地域の業界人マップを作っていくように心がけましょう。
例えば、
・AインダストリーのT課長はB工業の社長と仲が良い
・C空調のY事業部長はAインダストリーの社長と同級生で仲が良い
・D保険のNさんは強引なオラオラ営業手法でめちゃめちゃ嫌われている
・P保険のMさんは飲食業の社長たちとコネクションが深く、評判も上々
などと、ある程度の相関図を把握しておきましょう。
そうすることにより、例えば誰かと初対面の時には「◎◎さんにはいつも可愛がっていただいております!」などと挨拶をすることができます。
ケーススタディで行くと、例えばB工業の社長さんと初めてお会いする機会があった時には
「AインダストリーのT課長にはいつも○○でお世話になっているんです!」
と挨拶すれば良いのです。
反対に、こういう相関図を把握していないと「あ、自分D保険のNさんの弟子なんですwwwよろしくお願いしますwww」みたいな、もう目も当てられない自己紹介をすることになります。
一同ドン引き。
ちなみにこういうトンチンカンな受け答えをしてしまうと、最悪一次会でサヨナラ、今後は出入り禁止で、というケースもあります。
3ヶ月目:お誘いは突然に
このように起業直後から1ヶ月目、さらに2ヶ月目と経験を積んで行くと、3ヶ月目という極めて早いタイミングでエグゼクティブ層との食事会のお誘いが視野に入ってきます。
ちなみにこの食事会、事前にアポイントがあるケースはほとんどないと思ってください。
お誘いは突然に入ります。
そしてある程度自分でも手応えがつかめる程度に食事会への参加を繰り返し、業界人マップができてきたあたりの段階で「携帯は24時間常時オン、音も鳴るようにしておく」というルールを徹底してください。
そして、もし可能であれば夜の時間帯はすぐにでも動けるように多少なりとも準備をしておくと良いでしょう。
このようにきちんと準備をしてきちんと戦略立てた動きができていると、ある日突然あなたの電話が鳴ります。
画面には、いつもお世話になっているB課長の文字。
出ると「あ、もしもしお疲れ様、Bです。一応聞くんだけど、今夜って忙しいかな?実はいま赤坂で〇〇社の社長さんとか、その他にもいくつかの会社の経営者の皆さんと飲んでいて、君の話をしたらぜひ一緒に飲んでみたいと言うんだ。
もちろん今すぐ来れないということだったら仕方ないけど、どうだろう?」
とのお誘い。
ちなみにこれは私の身に実際に起きたことですが、私はこの電話を受けている段階ですぐに自宅を飛び出し(スーツは着ていました)、お礼を言って電話を切る時にはすでに赤坂に向けてタクシーに飛び乗っていました。
特に今あなたがお若い世代であれば、ここまでの食事会になるとほとんど社長さん達に奢ってもらえると思って間違いありません。
もちろんいくらかの手持ち資金は必要ですが、そこまで心配することなく向かってよいでしょう。
そしてとにかく現地に着いたら、今までの食事会などで培ってきたトークスキルで爪痕を残すように頑張るだけ。
ただし、相手は経営者たちですから、ただ単純に人間性が面白いというだけでは芸人扱いで終わってしまいます。
ある程度場を盛り上げてもきちんと自分のビジネスに対する情熱を語ったり、事業のプレゼンもできるように日頃から訓練しておくのが何よりも重要です。
また、一流のエグゼクティブ層は話題も非常にハイレベルで、特に若い経営者の場合は話題にすらついて行くことができないというケースがあります。
場合によっては経営者の方々が気を使って話しやすい話題を振ってくれることもありますが、ここは頑張ってついて行きたいところです。
とはいえ、完全について行くことができなさそうな話題の場合は変に刺激したり、トンチンカンなコメントは避けます。
お酌をしたり、ドリンクが空きそうであれば次のお酒を頼んであげたり、いわゆる「気の利く人」に徹した方が良いでしょう。
「あ、何言ってるかわからねぇなこれ」と思ったら撤退、と覚えておきましょう。
ちなみにここで騒ぐと「人が真面目に語ってるのに、なんだこいつ」となります。
え?この後赤坂でおきたことですか?
…それは、冒頭にお伝えした通りですよ。
今では私がそこそこの経営者。
若い起業家に与えるのはいつも「今夜、ヒマ?」という電話。
なぜなら彼らもまた(場を盛り上げたりしてくれて)特別な存在だからです。
まとめ
会社をつくりたての起業家が、大手企業の社長さんとコネを作るというのは並大抵のことではありません。
特にコネクションがない状態で起業した場合にはなおさらです。
今回ご紹介したように、3ヶ月というスパンで大手企業の社長さんとのコネクションを得るまでにのし上がっていくには、今回ご紹介の実録戦略のように最初からある程度戦略を立てた上で計画的に行動するのがポイントです。
これにより、他の起業家よりもかなり早い段階でよりエグゼクティブ層とのコネクションを作ることができるようになります。
とにかく起業したての頃は今日・明日のことも見えないような状況で走り続けることが多いので、出来る限り早い段階で、かつスピーディーここまでのコネクションを構築できるようにしていきましょう。