この記事を書いた人
【ペンネーム】きみのか
【プロフィール】顔も知らない親の借金に泣かされた経験をもつネットライター。
とりあえず、なんでも自力で解決しようとするが、悪化させることも多々あります。
商業小説出版経験があるのに、そちらの道は目指さずに雑文ライターとして活動中。
親あっての子とは言え、親の借金なんて払いたくないですよね。
基本的に連帯保証人にでもなっていなければ親の借金を子が払う必要はありません。
しかし、親が亡くなった場合は別なのです!
私は、ついこの間、借金を受け継ぐはめになりました……。
なぜ親の借金を子が払う必要が?
あまりにも理不尽ですよね……。
そんな親の借金を引き継いでしまったときに、それをチャラにしてしまう方法をお教えします!
突然やってきた親の借金!
始まりは一通の手紙からでした。
住んだことも聞いたこともない市役所の徴収対策課からの通知です。
その内容は税金、保険料、延滞金もろもろ50万円払えというものです!
何故、こんな身に覚えのない通知が?
一瞬、間違いか詐欺を疑ったのですが、よくよく見てみると私の父が亡くなり滞納していた分を払えということのようです。
私には、まだ1歳にもならないうちに別れた、顔も名前もしらない父がいました。
どうやら、その父の残した未払い金のようです。
確認のために実家の母に電話をすると、数ヶ月前に警察から亡くなったとの連絡があったそうです。
どうやら間違いないようですね……。
とりあず、通知に書いてあった電話番号に連絡します。
振り込め詐欺でないかと念のため、事前に電話番号が本物かどうかも確認まししたが本物でした。
役所の徴収対策課に繋がりましたので、顔もしらない父の借金なんて払えないと伝えます。
あちらの答えは、決まりだから払ってくださいと言うことでした……。
すごく理不尽ですが、これも法律、相手も好きでやってるわけではないと当たり散らすのは止めておき、泣く泣く相談してみます。
すると、この担当の人が同情してくれたのか相続放棄という方法があると教えてくれたのです!
相続放棄とは何か?
相続放棄とは名前の通りに相続を放棄することです。
親からの遺産などの放棄に使われますが、今回のように引き継ぎたくない借金も放棄できるのです!
ただし、遺産だけ受け取っておいて、借金は放棄なんて真似はできません。
両方放棄することになります。
私の場合は遺産なんてありませんでしたから、相続放棄で問題ないのです。
役所の人に相続放棄の話を聞いてからネットを中心に情報を調べたところ、相続放棄は弁護士事務所などに依頼することができるようです。
料金は5万円〜10万円ほど、高めに見積もって10万円……、50万円から大分減りましたが、まだ高く感じます。
払えない額ではないのですが、そもそもの発端が理不尽な物なので出来るだけ払いたくないのです!
なんとか安い方法がないかと調べているうちに、「意外と簡単じゃない?」「私でも相続放棄の手続きは出来そうだな」と考え始めました。
それならばと思い切って自分で相続放棄をやってみることにしました!
意外と簡単な相続放棄の手続きのやり方
実は、相続放棄の手続きは難しいものではありません。
少し面倒ですが素人でも充分行うことができると思います。
必要な提出物も以下の6点だけです。
必要な物
1.相続放棄申述書
これは地方裁判所のホームページなどでダウンロードで入手できます。
2.被相続人の住民除籍票
被相続人とは、今回の場合は私の父親のことです。父親が最後に住んでいた役所で入手できます。
3.申述人の戸籍謄本
これは申し込む人の戸籍謄本、つまり私の戸籍謄本のことですね。
4.収入印紙800円
郵便局などで購入できます。コンビニでも扱っている場合があります。
5.80円切手5枚
6.被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本
父の戸籍謄本のことです。これが後々問題になってきます……。
この6つを家庭裁判所に提出すれば相続放棄の手続きの完了です。
ね?簡単そうでしょ?
にもかかわらず、なぜ相続放棄の手続きを弁護士に依頼する人がいるのかは、やはり例外的な問題があるからです。
家庭の事情で問題山積みに…
いよいよ相続放棄にとりかかったのですが、問題が山積みで大変なことになりました……。
これが、一緒に住んでいる親が亡くなったとかであれば、何の問題もなく簡単に終わったであろうと思います。
なぜ通常より大変だったのかと言うと、今回の場合は大きな問題が3つあったからです。
1つ目は距離の問題です。
相続放棄の手続きは、父親が亡くなった場所の近くの裁判所で行う必要があります。
そして必要書類の一部も父親の住んでいた役所で入手しなければなりません。
そして父が亡くなった土地は、遙か北国の北海道……。
手続きに役所や裁判所に赴くとすれば、交通費だけで5万円はオーバーしてしまうでしょう。
しかし、そこは今の時代、インターネットが味方をしてくれました。
申請書など全てダウンロードして郵送すれば大丈夫なのです!
これで住民除籍票を現地の役所に行かずに手に入れることが出来ました。
2つめの問題点は、時間です。
相続放棄が出来るのは相続開始から3ヶ月の期間なのです。
うろ覚えながら母が聞いた死亡連絡は、3ヶ月以上前……。
これはアウトかと諦めかけたのですが、相続が始まったのを知らないのであれば、知ってから3ヶ月でもセーフなのです!
私が知ったのは借金の通知が来てからですので、この通知のコピーと一筆を書くことで大丈夫でした。
2つの問題は簡単を解決することが出来ました。
ここまでは順調だったのですが……。
戸籍を取るには戸籍が必要な矛盾……最後の大問題!
そして最後にして最大の問題が父の死亡記載のある戸籍謄本の入手です。
戸籍謄本を手に入れるには戸籍のある役所で、申請書に戸籍の住所を書いて提出する必要があります。
しかし、私が知っている父の情報は、借金の通知と共に送られてきた現住所の情報のみです。
戸籍は必ずしも移す必要がないので、現住所と戸籍の住所が違うのは珍しくありません。
父の戸籍の情報がなくては入手が難しいのです。
でも戸籍を知る方法なんてわかりません……。
これには打つ手がなく、現住所に戸籍変更しているのを期待してダメ元で申請書を送ってみました。
頼む……戸籍変更していてくれ……。
祈る気持ちで返事を待ちました。
その結果は、父は戸籍を現住所に変更していたようで、無事戸籍謄本を入手出来ました!
いやあ、生まれて初めて父に感謝しましたよ。
これで全ての書類を手に入れることが出来ました。
後は郵送で家庭裁判所に提出すれば完了です!
※ちなみに後日に調べた情報ですと、現住所の役所から戸籍の付随した住民票を取り寄せることで戸籍情報を知ることが出来るそうです。
まとめ
たくさんの問題があったにも関わらず、なんとか相続放棄をすることが出来ました。
両親から遺産を受け継ぐならともかく、できれば親の借金は受け継ぎたくないですよね。
片親の家庭が増えていますので、これからも同じような目に遭う人が出てくると思います。
通常の相続放棄の手続きは決して難しくないのですが、各家庭の事情は複雑です。普通の手続きの方法だけでは対処できないかもしれません。
そんな困ったときには、ぜひ今回の私の事例を役立ててください!